10社のうちの2社が共同配送を実施した場合には、共同化を導入した企業において、コストが約20%減少し、乗用車も含めた総走行時間が約5%減少すると推定している。 前節における配車配送計画においては、道路ネットワークにおける各リンクの所要時間の推定値として、一つの値を用いていた。
実際には、所要時間は1日、1週間、1年のなかにおいて変動するものである。 そこで、本節においては、リンク所要時間の変動を考慮した確率論的配車配送計画(PVRPTW)を考える。
トラックが遅刻した場合には、遅刻時間に比例したペナルティが課せられる。 このペナルティ関数とトラックの到着時刻の確率を掛け合わせることによって、早着および遅刻ペナルティの確率を計算することができる。
配車配送計画モデルを、この仮想道路ネットワークは、ノード数25、リンク数40の格子型のネットワークであり、このネットワーク上に、10社の輸送事業者がそれぞれ一つずつのデボをもち、最大積載量2トン、4トン、10トンの集配トラックをそれぞれ4台ずつ、計12台を運行して、14〜22か所の顧客に貨物を配送すると仮定する。 なお、デポの位置、顧客の位置は、ランダムに与えられている。
配車配送計画モデルと動的交通シミュレーションモデルを組み合わせて、10回(10日間)の繰り返し計算を行う。 このとき、日々の交通変動を考慮するため非混雑な交通状況を表す発生交通量の値を基本として交通需要を±10%の範囲内でランダムに変動させた。
11回目の計算において、交通状況が急変するような場合も含めて計算ケースを設定し、確率論的配車配送計画モデルと確定論的配車配送計画モデルを、総費用や環境面で比較した。 その結果、交通があまり混まない場合(平均速度=38km/h)において、確率論的配車配送計画モデルを用いる場合、確定論的配車配送計画モデルを用いるよりも、輸送事業者の総費用が約11%減少した。
また、交通状況が混んでくる(平均速度=30km/h)と、総費用が約14%減少した。 このように、確率論で考えたほうがコストが減少する理由は、遅刻ペナルティを、早着のペナルティよりも高く設定しているために、確率論的配車配送計画においては、コスト最小化の過程において、できるだけ顧客の所に遅刻しないように、早めに到着する計画を策定する傾向がある。

そのために、交通混雑が発生して多少所要時間が増大した場合においても、顧客の指定時間帯内に収まってしまうために、遅刻ペナルティが発生しにくい。 したがって、より交通混雑が激しい場合に、確率論的配車配送計画によるコスト削減効果が大きくなる。
また、環境面への影騨について、確率論的配車配送計画と確定論的配車配送計画のCO2排出量を比較すると、交通があまり混まない場合(平均速度=38km/h)においては、確率論的配車配送計画モデルのほうが、確定論的配車配送計画モデルよりも、6.3%減少し、交通状況が混んでいる(平均速度=30km/h)場合には、6.5%減少した。 したがって、所要時間の変動を考慮した確率論的配車配送計画モデルを適用したほうが、企業にとってコスト削減のメリットがあるばかりでなく、環境面において、CO、排出量を削減できるという社会的なメリットもあることが明らかになった。
原材料供給業者から、製造業者、卸売、小売、消費者までの物の流れは、川の流れにたとえられ、生産サイドは川上、消費サイドは川下とよばれる。 生産流通システムの目的は最川下の消費者の満足度を高め、より大きな付加価値を生みだすことだが、同目的の達成のため、物の流れに関していくつかの機能が必要となる。
まず、川上輸送時の大きなロットを川下輸送用の小さなロットに「仕分け」しなければならない。 また、各段階で販売機会を失わないため「在庫」が必要である。
さらに組み立て、包装、値札付けなどの「流通加工」も付加価値を高めるために不可欠である。 これら在庫、仕分け、流通加工の拠点を物流ターミナルとよぶ。
e−コマースの進展により、川下から川上への情報の流れが一部バイパスされ、消費者と卸売、あるいは製造業者が直接商取引を行う場合も多くなっている。 物そのものの輸送形態が大きく変化しているわけではない。
包装などの流通加工の一部が川上に移り、在庫機能が卸売から物流業者に移ったりするかもしれないが、基本的に大ロットを小ロットに仕分けする仕組みとしての物流ターミナルは必要である。 物流ターミナルの多くは民間施設であるが、その立地はロジスティクス活動の効率性に影響を及ぼすほか、地域社会に交通混雑、交通公害の面でも影響があるため、政府の施策としてさまざまな取り組みがなされてきている。

その変遷を概観してみよう。 運輸省は1959年(昭和34年)に自動車ターミナル法を制定し、自動車運送事業の効率化をめざした。
同法でいう自動車ターミナルは「バスターミナル」および「トラックターミナル」を含むが、それぞれごとに運輸大臣がターミナル事業を許可することとなっている。 なお、この法律そのものは、ターミナル建設を支援する内容のものではない。
民間移行した日本自動車ターミナルは、京浜、板橋、足立、葛西の四つのトラックターミナルを所有。 運営している。
1998年3月期の売上は110億円、申告所得は23億円2)であり、売上高に対する申告所得の割合が高いといえる。 共同配送の拠点になっていることも高く評価されよう。
図4。 1四つのトラックターミナルはいずれも幹線道路網の要所に位置し、利用しやすい施設である。
今後の環状道路の整備を考慮に入れれば、外環(東京外郭環状道路)の外側、あるいは圏央道(首都圏中央連絡道路)沿線への立地も、ロジスティクス効率化の点で効果的と考えられる。 経済企画庁、通産省、建設省、運輸省、農林水産省が所管する流通業務市街地の整備に関する法律は1966年(昭和41年)に制定された。
この法律は「都市における流通業務市街地の整備に関し必要な事項を定めることにより、流通機能の向上および道路交通の円滑化を図り、もって都市の機能の維持および増進に寄与すること」を目的としている。 具体的には、地方自治体、都市基盤整備公団などが事業主体となって土地を造成し、運輸業、卸売業などに用地を提供し、物流関連施設の都心からの移転を促そうとするものである。
対象であったが、地方であってもインターチェンジ周辺などには流通業務団地を整備してもよいこととなった。 また、団地には都市計画の流通業務地区が指定され、トラックターミナル、倉庫など建設できる建物が制限されるが、多少緩和された。
流通業務団地は昭和40年代に札幌、東京、大阪、神戸、福岡などで計画が策定され団地が造成された。 昭和50年代以降一時停滞するが、平成5年の法改正後、花巻、郡山、友部”米子、大分など地方都市で計画が策定され、整備が進められつつある。

現在、全国の整備地区は約40か所で、その半数はすでに用地の売却も終わっている。 1992年(平成4年)には、通産省、運輸省により中小企業流通業務効率化促進法(以下では「効率化法」とよぶ)が制定されている。

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